獨協医科大学 解剖学実習
班別課題発表(PBL)


目次

報告書まえがき(平成15年度)

 獨協医科大学解剖学マクロ講座では、解剖実習に付随した新らしい教育法の試みとして、平成14年度より、実習班別に異なる課題を与える PBL (Problem-Based Learning) をおこなってきた。解剖実習を通して、自分たちが担当したご遺体の病気や、特色ある所見に興味を持つことは多い。しかし、通常はそのまま分からずじまいに終わることがほとんどである。本 PBL は、この個別の興味をもとに、(1) 学生自らがテーマを考える、(2) 他の実習ご遺体も含めて、統計学的な計測、調査をおこなう、(3) ガン、腫瘤などの異常部位からパラフィン切片標本を作成し、病理診断を試みる、(4) そのテーマについて、図書館や、インターネットで調べ、自分なりの整理と発表構想をおこなう、(5) 調べた情報、知見や疑問に関して、臨床や基礎の専門家の先生にインタビューしアドバイスをいただき、校正・考察する、(6) 以上をまとめ、PowerPoint で口頭発表し、レポートを提出する、といった6段階ほどの自主学習をおこなう教育法である。この度、2年目のH15年度分(2003.4〜2003.10)のPBLレポートの編集が完成したので、印刷物として発表し、解剖実習教育の一つの新しい方向性として提案したい。なお、この記録は、本年2月から本講座 home page で学外へ一部公開している。

 ご存じのように、PBLとは,与えられた課題を4〜5名の学生グループが主体的に解決していき,自己評価を行う教育・学習法である。自主性とチームワークが必須なので、論理的思考と問題解決能力の育成や協調性の訓錬が期待できる。また、これをきっかけとして、基礎医学と臨床医学とが関連づけられ、実習への興味と意欲が深まる効果が得られている。各班の感想をご覧いただきたい。肉眼標本の多くは、ご遺体のものを使わせていただいている。付随した顕微鏡標本写真の多くは、それから作成したパラフィン切片標本である。顕微鏡観察により、例えば、リンパ節のガン転移の課題なら、その確定診断の可能性が高まり、結論がでやすくなる。実際、腫大したリンパ節の組織がガンでなく、正常範囲の例もあった。また、パラフィン切片標本で死後変化が意外に小さく、病理診断に耐えるきれいな組織像のものが多かったことも驚きであった。なお23班は肝臓ガンであったが、感染事故を避けるため細心の注意を払って防腐・不活性化処置を行っている。

 この場を借りて、献体いただいた故人とそれに賛同いただいたご遺族の皆様に心よりお礼申し上げます。パラフィン切片標本は、法医学の徳留省悟教授のご協力を得て、上村純子技術員に学生を指導・作成していただき、その病理診断は、病理学(人体分子)の藤盛孝博教授のご理解を得て、小野祐子講師にお願いした。快くご助力・ご助言をいただいた、臨床の山口重樹講師(麻酔科)、山西友典講師(泌尿器科)、砂川正勝教授(第一外科)、結城伸泰助教授(神経内科)、有坂治教授(小児科)、北順二講師(第二外科)、長田伝重講師(整形外科)、下田貢講師(第二外科)、杉本浩之講師(心血管肺内科)、望月吉彦助教授(胸部外科)、北島敏光教授(麻酔科)、山口真彦教授(越谷消化器外科)や病理学形態の本間浩一講師にも心からお礼申し上げます(順不同)。

 ご意見・ご感想は、連絡先 E-mail: macro@dokkyomed.ac.jp までお願いします。資料の一部は教科書などから引用している。出来るかぎり、参考文献として記載していますが、もし漏れがあった場合はご指摘願います。最後に、このPBL は、基礎・臨床各講座の協力無しには継続不可能です。今後とも、お忙しいところお世話になることと思いますが、何とぞご助力お願い申し上げます。

2004年12月

解剖学マクロ講座
教授 松野健二郎



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